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湯峯温泉は今を去る事千七百七十年余の昔、人皇第十三代成務天皇の御代熊野国造大阿刀足尼の発見にして大昔は大湯原と称し日本最古の温泉として世人に知らる。

又湯峯温泉の最初の噴出発祥地が現東光寺の所にして御本尊薬師如来はこの噴出湯口に幾百千年の往時より湯の花が天然自然に積り化石し(御身丈一丈余、胴廻りニ丈余)の大自然の薬師如来の霊形と出現ましませしを温泉の御本尊と崇めて其の周囲に堂宇を建立す実に日本無双の霊像で有ります。

又この尊像の御胸の辺に一つの穴が有り、中古まではこの穴より盛んに霊泉が湧き出しておりましたので、湯胸薬師と申せしところから(当寺御宝前奉祭の寛文十一年の古鏡に明記)この地を総称して「湯の胸」温泉と呼ぶようになりしが、何時しか今日の湯峯と転化せしと聞く。

人皇第十六代仁徳天皇の御代裸形上人と言う大徳有り、熊野三山苦行の砌り霊夢に依り此の地に来たり、この湯の花化石薬師如来の尊像を感得せられ一切衆生の病苦を救う為に茲に尊像の周囲に草庵を結び即ち当寺を開基せられる。誠に霊験由緒有る霊場で有ります。歴代天皇熊野権現に御幸の御時には必ず当寺に御鳳輦を抂げさせ給い、就中鳥羽天皇の御崇敬特に深く堂塔を建立、寺領を下賜せられ勅願所と定め給い、其の后天正十八年に豊太閤秀吉が本堂を大修繕を行い、次いで徳川紀州家より明治維新に至るまで時々修繕を加えられたので有ります。

大要欺くの如き熊野唯一の温泉霊場として昔より伊勢七度、熊野へ三度と申し歴代天皇初め庶民に至るまで熊野詣の盛んな節には中辺路を経て(田辺から本宮へ)本宮熊野権現に詣るには当寺に参詣し、必ず湯峯温泉で一泊して身心共潔めてから詣るのが順序で有りました。

其の習慣が残り、毎年四月十五日の本宮熊野神社の例祭に前々日十三日に湯登り行事として本宮より神事に奉仕する人々が潔斉に湯峯に来られる湯登り行事が今尚行われております現本堂は明治三十六年五月、此の地未曽有の大火あり、当寺も延焼の厄を蒙りしも御本尊薬師如来は焼失をまぬがれ、尚、其の他仏像、宝物は搬出避雑し、其の后隘小の一堂宇を仮設し信徒有志の浄財喜捨に依り昭和六年に現本堂を再建立をなす。

「※参照:湯峰温泉と東光寺由来」

 
 
住所
和歌山県東牟婁郡本宮町湯峯113
宗派
天台宗
御本尊
湯峯薬師(薬師如来)
開基
裸形上人
創建
仁徳天皇御代
拝観料
無料
年中行事
 
4月13日
 湯登り行事